Memphis(7) 公民権運動博物館

 メンフィス旅行記(7)、今回は少しヘヴィな内容です。社会問題を題材にした展示を見に行ってきました。

☆興味の対象外、今日は読まなくてもいいや~(^0^)って方も、
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National Civil Rights Museum 別館の入り口
扉には、キング牧師の言葉が刻まれています。
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 メンフィス旅行3日目の朝、ピーボディホテルをチェックアウトし、駐車場も清算。そのまま車で、2日目にも行った、メンフィスでもっとも古いのカフェ Arcade アーケイドへ朝ごはんを食べに行きました。(ここまでのお話は、カテゴリ「音楽」のMemphis(1)~(6)を参照。)

 アーケイドでゆっくりご飯を食べた後は、1本隣の道にある Lorraine Motel ロレイン・モーテルへ車で移動。そう、ここはかつてはホテル、そして今はNational Civil Rights Museum 公民権運動博物館となっているところです。

 なぜホテルが博物館に?

 1968年4月、マーティン・ルーサー・キング牧師がメンフィスで滞在していたこのホテル、実はこのロレイン・モーテルで、キング牧師は暗殺されてしまったのでした。現在はホテルと、その向かいの建物が買い取られ、公民権運動博物館として一般公開されています。向かいの建物は、犯行現場となったアパートメント。見学者はロレイン・モーテルの入り口からキング牧師の滞在した部屋を訪ね、その後道を渡って、別館のアパートメントの「現場」に向かいます。エレベーターをあがると今度は犯人が滞在していた部屋が…。バスルームは現場検証の当時のまま保管されています

今もそのまま残っている、Lorraine Motel の看板
駐車場は博物館の駐車場として利用されています。私達もここに車を止めて見学へ・・・。
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部屋を出たところで射撃されてしまったキング牧師。
宿泊していた部屋の前には、今も花が捧げられています。
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このアパートメントからの犯行
今はここも博物館の一部として公開されています。真ん中の出っ張った部分の最上階。右端の、半分木に隠れた窓が、犯人のいた部屋のバスルームの窓です。
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 展示は主にパネルを使ったもので、かつてのアメリカでの有色人種(特に黒人)に対する差別の歴史と、それに対するさまざまな運動・活動を追ったものです。私は以前、吉田るい子さんという写真ジャーナリストの書いた「ハーレムの熱い日々」という本を読み、興味をもって、今回この公民権運動博物館を訪れました。(るい子さんの本は、ちょうど公民権運動の真っ盛り、1960年前後のNY、ハーレムの様子をとらえたドキュメントです。)

 写真と文字の展示が主ですが、当時の新聞などのメディア(ビデオ)、看板、実際の状況を再現した部屋やバス車両、ゴミ収集車、そして見学者が暴動の真っ只中を体験できるようになっているブース(壁に暴動の映像が実物大で映し出されます。)などの展示もあり、見ごたえたっぷり。るい子さんの本にも書かれていた、White only と書かれたプールの看板や、「←White/Colored→」と書かれたプレートなどの展示もありました。

Don't buy anything from where you can not to work.

(あなたが働くことのできないところでは買うな!)
るい子さんの本はハーレムのドキュメントだったため、この台詞ももっと直接的で、「黒人は黒人(経営者)の店で買おう!」というように書かれていました。これも同じ意味で、自分が(差別のため)雇ってもらえない店(会社)では買い物なんてするな!という意味…。

I AM A MAN!

(私は、「人間」として、存在している!)
というプレートを掲げたデモ行進の写真もすさまじいものがありました。

 今は本当のところどうなんだろう…。根っこの部分ではどうなんだろう?でも、確実に50年前とは違う。ひょっとしたら完全ではないかもしれないけれど、確実に良い方向に変化している。あらたな別の問題が出てきているのかもしれないけれど、でも、誰もがもう、I AM A MAN! なんて、大きな声で言わなくてもいい…。本当に?!世界中どこででもそう?!

 この、当たり前のことを当たり前に扱ってもらえない人々がいた時代を、決して忘れないようにしなくては…。繰り返さないためにも…。ボブ・マーリィーが No Woman No Cry で歌います。この曲は夜のビールストリートでも流れていたっけ…。
♪Everything's gonna be all right ~
 

 目には目を!の理論で戦うことを良しとする意見と、あくまでも「非暴力」の姿勢を崩さず、別の方法で戦おうとする人々と…。

 この公民権運動は、キング牧師やインドのカンジーの思想を伝える「非暴力」の戦いを支持する施設です。博物館の目玉、キング牧師が(図らずも…)最後の一夜をすごした部屋(再現)では、マヘリア・ジャクソンの歌う Precious Lord プレシャス・ロード が静かに流れていました。(キング牧師のお葬式で歌われた歌だそうです。)


 さて、ちょうど私達が訪れた時にやっていた特別展示も、とても考えさせられる内容でした。Wounded in America Exhibit と名づけられたこの特別展。文字通りWounded(銃などで意図的に傷つけられた)な人々のモノローグ。46人の銃で撃たれた経験のある人のポートレイトとバイオグラフィーの展示。老若男女、いろいろなシチュエーション、いろいろな人種、年齢、土地…。読んでいて震えが止まらないというか、寒~い感じがしてくるというか…。それでも46人分、だいたいの部分は読んでしまいました。「○年○月○日、何時何分、その時私は△■していました…。」

 で、読んでいて気がついたこと…。46人の被害者は、果たして100%全面的に被害者なのだろうか?ということ。どうしようもなく避けられない出来事だったのは、実はそれ程多くはないように思いました。被害者であることには間違いないけれども、果たして、自分自身でその状況を呼び込みはしなかったか…。

 人のうらやむような、ひとめ見て高価なもの(宝石)を毎日身につけて歩いていた人…。ギャンブルに深入りしてある日破格の額の勝ちを手にした人…。ギャングのメンバーで、ライバルがおなじ街にいた人…。自分の所有する銃の、手入れ中の事故…。夫婦間のいざこざ…。

 今、私達が住んでいるこの街は、とても静かで治安もよく、毎日安心してリラックスして暮らしていけるところです。

 でも、ある部分では、やっぱりアメリカにはこういう事件があるのだな、とも思う。46人が多いのか少ないのか…。(展示を見ているときは、こんなに大勢が?!と思いました。)そして、この人たちは本当に全く、身に覚えのない100%の被害者なのか…。

 私の感想では…、こういうこともあるらしい、でも、これはごくごく一部の出来事だ、自ら片足を突っ込まない限り、日常茶飯事の出来事ではない・・・。そう、これはアメリカだけの出来事ではない。その多くは、どこにいても、自分のとる行動、態度、そういったものの産物…なのでは?!それと同時に、「日本へ引越しして、子供を日本の学校に通わせるのが怖い」という、アメリカに今まで住んでいた人の言葉も、ふと思い出したりするのです…。


 自分の身は自分で守る。それは急場のことではなく、常日頃の言動を振り返ることの大切さを意味しているのかもしれません。今こうやって、生きていることそのものに感謝。今いる場所での毎日、不必要に怖がることをせず、今までどおりのびのびと生きていこう!と思いました♪

 National Civil Rights Museum 公民権運動博物館、わが身を振り返る良い機会をありがとう。


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by mori_y_sana | 2006-09-21 06:29 |  * メンフィス旅行
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